踏み出しますか 主催者から与えられたものです。考えてみて、自分でもおびえるような結論らしきものが出てきたのですが、勇んで語り たいという気にはなれません。 ですから、以下は主張というよりも:自分で考えたプロセスだけを申しあげます。結論は、憂鬱なものなのです。 その前に、ちょっと余談をはさみたいとおもいます。ことし(一九九一年)、八十三歳で亡くなられた井上靖さんが、死 の前、小康を得られたとき、会っておきたい人に会っておきたい、ということで、新聞社を通して対談ということになり、 私にとって思い出ぶかいものになりました。たまたま日本をめぐる国際環境のはなしになったとき、 「日本も組合に入らなげればいげませんね」 といわれたのが、印象的でした。